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文とか絵とかのブログ。パロとか、けも耳とか色々遠慮なく上がります。
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狐の嫁取り、続きです。
いや、何かもう色んな事が難しいです小説...;
敬語とか、式の内容についてとか、何かもう分からなすぎてあっぷあっぷしてしまいました;
大した事書いてないというのに...orz
何かおかしい所に気付いた方はこっそり教えていただけると助かります...;
「やるなおぬし〜」からコメント送れるので、そこからでも...;
そして次で終わるとか言って終われませんでした;また続きます;
続きは近いうちに!上手く行けば今日明日に(笑)
それにしてもちょっと本気で整理した方がいいですね、ページ構成^^;





結局、不破の主人は三日後に約束通りに訪れた使者に対し、承諾の意を告げた。
婚姻の日時はまた追ってお知らせに参ります。
お受け頂きありがとうございます。当家主人にもめでたき報告ができまする。
そう言って訪れた使者はほっと胸を撫で下ろし嬉しそうに帰っていった。

それから一週間程経ち、三度訪れた使者は一月後に婚姻の儀を行なう旨を告げ、詳細はこちらにて。そう言って文を置いていった。
こちらの一方的な申し出にて御当家のご息女をお迎えする次第故、結納返しのお気遣いは無用。
当日には当方が輿をご用意して全て滞り無くお迎えできますよう取り計らいます故、御身一つでお待ち頂きたく。
尚、誠に勝手ながら当方のしきたりによりご親族樣方のご列席につきまして花嫁とは別室にてのご列席を賜ります様お願い申し上げ候。

くれぐれも花嫁行列の際にはご列席の場を開かれませぬ様お願い申し上げ候


・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

そうして訪れた輿入れの日。
花嫁は禊を行ない新しく仕立てた花嫁衣装に袖を通した。

許しておくれ。贄を求められれば人にはこうするより他できはせぬ。

そう言って涙を流す家人を安心させるように、花嫁は穏やかに微笑んでみせる。
その笑みに更に家人は、すまない、すまないと泣き崩れた。

約束の刻限になり、文で指定された通りに家人は花嫁とは別の部屋へ移り全ての戸を閉めきった。
そうして花嫁はその刻を一人待つ。
この一月の間に覚悟は決めた。これこそが自らの運命なのだと...。
軽く目を閉じ深く呼吸をしたその時だった。
「お待たせを致しました。お迎えに上がりましてございます」
庭先からそう声をかけられた。
覚悟を決めたとはいえ、やはり緊張はしているようで、その声にびくりと僅かに肩を震わせた後少し間を置く事で気を落ち着かせて、花嫁は一度、家人が居る部屋へ向かって深々と無言で頭を垂れるとゆっくり立ち上がった。
そして稲荷の使いの待つ元へと行けば、にこにこと嬉しそうな顔に迎えられた。
それは度々使いとして訪れた、あの女房だった。
「足下にお気を付けくださいませ」
そう言って着物の裾が足に絡まぬようにと手を差し出す。
その手を借りて庭へと降りれば、促されるまま外へと歩みを進めた。
「お綺麗でございます」
その声に軽く礼を返す。
門をくぐれば、そこには見た事も無いような豪奢な牛車が停まっていた。
その牛車に乗り込む前に、ちらりと角隠しの隅から覗いた景色に花嫁は目を見張る。
鉢屋稲荷の本宮がある山の上まで続く道筋に青く燃える鬼火、鬼火、鬼火。
その景色に、花嫁はいよいよ覚悟を決めた。
ああ、自分は異界へと連れて行かれるのだと...。
そうして花嫁を乗せた牛車とともに、その行列は静々と厳かに進む。
目指すは鉢屋稲荷本宮、花婿の元へ。

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

不破家が代々鎮守の役目を担っているという事もあり、不破の兄妹にとって宮は幼い頃から遊び場としてよく来ていた場所だ。
よく見知った場所であり、どこがどのようになっているか。そんなものは見なくとも頭に思い浮かべることができる。
はずなのに...。
連れられてきたその宮は、外観こそいつも通りの質素な宮であるにもかかわらず、中に入った途端別の世界へと姿を変えた。
特別な光源があるとも見えないのに、煌煌と明るく華やぐ社内。
よく磨かれ手入れの行き届いた朱塗りも鮮やかな床や柱。
その上屋敷の中にはこれまで無かった筈の日本庭園風の中庭があり、そこを中心として流れる小川やそれを跨ぐ橋までがある。
その廊下を奥へ奥へと促され、行き着いた先の廊下には紋付袴姿の男が一人立っていた。
ではこの男が...
顔を上げられずに男の足下を見つめていると、俯いた頭上から声をかけられた。
「私が三郎だ。異種族への輿入れを承諾してくれた事を感謝する」
その言葉に軽く唇を噛んで、しかし言葉も無く軽く頭を下げた。
それから式の手順をあの女房から二人揃って聞いた後、この度は誠におめでとうございます。そう深々と頭を垂れた女房に祝福を受け大広間へと送り出された。

そこは里長の家で育った者でも見た事の無い広い部屋で、どう考えても外観から見てこんな部屋がこの社にあるとは思えない。
そしてその部屋に見合っただけ集まった招待客達にやんやと賑やかに迎えられた。
見た所全て人の姿をしてはいたが、ここにいる全員があやかしなのかと思えば緊張もする。
ここでは自分こそが異質な存在なのだと...。
これから先の事を思えば恐怖が湧く。
だから極力何も考えない様、式の流れに身を任せた。隣で挨拶をする花婿の言葉も耳に入らず。促されるまま体を動かし三三九度を終え夫婦の誓いをかわし。出されたものをただ口に運び。
そうして花嫁の意思とは別に式は滞り無く進み。
「こ度は私どもの為にお集りくださいまして、皆々様には大変ありがたく存じます。また後日改めましてご挨拶にお伺いさせて頂きます故、これにて私共は失礼をさせて頂きます。尚、この後も皆様には引き続きお時間の許す限りお楽しみ頂けます様」
隣に座る新郎が挨拶するのに合わせて深く頭を垂れれば無言で手を差し出されたので、促されるままその手に自分の手を乗せ立ち上がった。
いよいよ『その時』がやってきた...。
全てを諦めるようにその目を閉じた。

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