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文とか絵とかのブログ。パロとか、けも耳とか色々遠慮なく上がります。
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うまく行かなかったので、更新が遅れました...すいません;
ひとまず嫁取り終了ですー!
何だかとっても書いてて訳が分からなくなりました途中から...;
ひとまず犬神といい、嫁取りといい、バカップルな傾向がありますね...恥ずかしいな!ww
勘ちゃんも出したいなぁ...と思うのですが、元々46巻発売前に思いついたネタなので実は勘ちゃんの妄想ができていないという...orz
勘ちゃん妄想頑張ります!!きっと出す!!(決意

ええと...他に何か言う事があったような無かったような...?
でもどうにも思い出せないので、よしとしよう...。

あ、そうだ。
ちなみに今後の展開的に犬神と嫁取り出会いますw








婚礼を終えると宮分けをされて一人立ちするのだと教えられ、花婿の後をついて宮を出ると迎えられた牛車にもう一度今度は二人で乗り込んだ。
花婿の視線を感じたが特に話しかけてくる訳でも無く、こちらも顔が上げられず、ただ無言で牛車に揺られる。
なんだか酷く気詰まりで落ち着かず、意味も無く手元で袖をいじる。
その間もずっと花婿の視線を感じていた。
程なくして牛車は停まり、花婿に続いて外へ出るとそこには本宮よりもさらに質素で小さな社があった。
牛車に乗せられた時間を考えても、距離的には不破の家から本宮へと移動した距離とそう変わらない筈なのに、その社には全く見覚えがない。
さほど大きくはない里の事なら、もう全て知っている筈なのに...。
周囲を見回してみても全く見覚えは無かった...ここはもう里の外なのか...。
社の中に入れば、そこは本宮程の豪奢さは無いにしろ外観からは想像もつかない程に広く艶やかな空間が広がっていた。
ここまで来るとさすがに人とあやかしの感覚の違いというものを認知せずにはいられない。...きっと自分は今人の感覚でもって、あやかしの空間を生きている...。
玄関先で数人の女房たちに迎えられ中へ上がれば、そのうちの一人に声をかけられた。
「ささ、奥方様はどうぞこちらへ。お召し変えの準備は済んでございます」
着重ねた花嫁衣装はかなり重い。頭には顔を隠す程の角隠しもある。ただでさえ気疲れたその身にはかなり負担をかけてはいるが...しかし...
「ああ、お前達ちょっと待て。その姿をもう少し見ていたい。せっかく美しく着飾っているというのに、式の間はどうも緊張してよく見れなかったからな」
ついていくのを躊躇っていると、花婿がそう声をかけてきた。
その言葉に女房達はきゃらきゃらと声を上げて笑う。
「まぁまぁ、三郎様が緊張だなどと」
「さすがの三郎様もご自身の式ともなれば気負われましたか」
「なんとまぁ仲睦まじい事。なんだかこちらが恥ずかしくなってしまいますわね」
「お疲れではございましょうが、もう少し辛抱してくださいませね」
そう口々にはやし立てる女房達を花婿は分かった分かったと追いやれば、邪魔者は立ち去りまするときゃあきゃあ言いながら廊下を小走りに駆けていった。
「こっちだ」
そうして二人残され、女房達が去ったのとは別の廊下を促されて奥の部屋へと通された。
そこはどうやら私室の様で、書き物机やら生活に関係する調度が置かれていた。
何だか紋付袴と白無垢である自分達が酷く浮いているような気がする。
「さて」
向かい合って座るといきなり顔を覗き込まれてびくりと肩を震わせた。

「なぜお前がここに居る?雷蔵」

その言葉に驚いて、ばっと顔を上げればそこには自分の顔があってさらにぎょっと目を見張る。
そんな雷蔵の反応を見て目の前の狐はにやりと勝ち誇ったような笑みを浮かべた。
「...あなたは...」
「三郎でいい。今日から私達は夫婦だろう?」
緊張から掠れた声で雷蔵が声をかけると、にやにやとそう返された。
その笑いに少しむっとするが、相手は人ではなく神格をもった稲荷神だ。矢鱈な態度を取るのは躊躇われ、ぐっと飲み込む。
「なぜ僕の事を...?」
初めて会ったというのに、なぜ名前を知っているのか。不思議に思って聞いてみれば軽く肩をすくめて笑ってみせた。
「不破の子供達はみんなあの宮を遊び場所にしているだろう?それをいつも見ていたからな。その中一人血の繋がらない子供が妹にまで気を遣うのがいつも気になっていた」
その台詞にぎくりとして三郎を見れば見透かすようなその目と視線が合って、思わず逸らしてしまう。
「で?なぜお前がここにいる?私が婚礼を申し込んだのは『不破の娘』だぞ」
重ねて問われた内容に少し躊躇ったが、結局現状に対する種明かしを始めた。

婚礼申込みの文を貰った後、不破の家内は荒れた。
神が子を寄越せと言うなど、婚礼と詠った所で生け贄を要求されたと一緒である。
みすみす愛しい我が子を贄に差し出す親など居よう筈も無く。
かといって差し出さねばどのような報復があるかも分からない。
不破の主人は悩みに悩み、指定された期限の朝に雷蔵を部屋へと呼びつけた。
娘の代わりに、お前が行ってくれまいかと。
不破家は嫁とは名ばかりで、要求されているのは贄であると信じて疑わず。
贄となるなら女も男も無い。同じヒトである。
雷蔵には不破家に対して大恩がある。頼まれて断るなど思いもせず。
不破の家がそれで平和に収まるのなら、我が身などいくらでも捧げよう。そう言って笑った。

「ふん」
雷蔵の話しを聞いて三郎はつまらなそうに鼻を鳴らした。
「まったく人間とは浅はかな生き物だな」
「なっ」
言われた言葉にカッときて言い返そうとした雷蔵にちらりと視線を寄越す。
その目を見て再びぐっと堪えた雷蔵を見て、またつまらなそうに鼻を鳴らした。
「私は何か強制をしたか?神格を備えたものが、贄などそんな穢れを必要とするわけがないだろう?」
言われてみれば確かにその通りである。
「その上でお前を差し出した事で、不破の家は神格者との縁組みを放棄したという事になる訳だ」
その言葉に雷蔵は目を見張った。
...なるほど...いや、でも!
「でも僕は不破の家に養子に入って...」
「それは人の間の決めごとだろう。血を重んじるこちらの世界には関わりがない」
「それなら!事情を説明してこれからでも...!」
自分がここに来た事で、不破家の繁栄に関わる祝い事をふいにしてしまう事が怖かった。
「無理だよ、雷蔵。君は私と三三九度を交わしたろう?こちらのものも食べた。既に君は少なからず神格を備えてる」
だからもうヒトの世界に戻れないのだと、暗にその事実を示された。
「三郎は、もしかして初めから僕の正体に気がついていた...?」
その問いに三郎は無言で雷蔵に含みのある笑みを返す。気がついていたのだ...。
「それならどうしてそのまま式を続けたの!?」
雷蔵が怒るのは筋違いだ。むしろ騙されたのは三郎の方なのだから。...しかし...
「私はね、血筋やら縁組みやら繁栄やら。そんなものとは関係なく側に居てくれる相手が欲しかっただけだよ。だから女だろうが男だろうが、そんなものはどうでもいい」
そう言って寂しげに微笑む三郎を見て、雷蔵は何も言えなくなった。
それは心の奥の方で雷蔵自身が望んでいた事だ...。
生まれた瞬間に親に捨てられ、血の繋がらぬものに拾われ。また捨てられないように...そうして生きる事で精一杯だった。
「君なら、そんなもの関係なく側に居てくれそうだと思った」
真っすぐ真摯に見つめられて、雷蔵はそこから目が離せなくなる。
こんな風に、自分の存在を認めてもらったのは初めてだったから...。
「...仕方ないなぁ」
泣きそうになるのをごまかす為に、そう言ってやると三郎は心底嬉しそうに笑み崩れた。

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

「ちょ!!ちょちょちょっと待った三郎!!!」
「ん?どうした雷蔵」
「どうしたって何しようとしてんのちょっとおかしいだろ!!」
「何って祝言を挙げた夜にやる事なんて決まってるだろう。君が何言ってるんだ」
「さっき繁栄とか関係ないって言ってたじゃないか!そして僕は男だ!!...ちょっとその笑い方腹立つ...!!」
「やらないとは言っていないだろう?それに契る事でようやく君と私の縁が結ばれるんだ。そうでないと君は人でも神でもない宙ぶらりんな状態になってしまうんだよ。そうすればこの世界は君の負担になるし、寿命もある」
「..........」
「側に居てくれるんだろう?」
「...ちょっと考えさせて」
「ああ、待つよ。結果君が来てくれた事が嬉しくて仕方ないんだから」
「!?」

一体どこからが君の手の内なんだ...
ああ、本当にその笑顔腹が立つ...

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