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文とか絵とかのブログ。パロとか、けも耳とか色々遠慮なく上がります。
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鉄は熱いうちに打て。
ということで、きり丸関連連投です(笑
熱いうちって言ったって、これも結局まだ6年生もろくに知らないくらいの時期に思いついたネタであって、昨日の記事のお陰で再加熱できたって言う話しなんですけれども;
私結構CPものに関しては自分が好きと思ったものに偏ってしまう人なんですが、乱太郎は結構定まってません^^;
乱→きりもありかなと思うし、乱ユキもかわいいと思う。しぶ乱も敵同士ってところがとてもそそられます*´∀`*

ちょっと脱線しましたw
そんな感じで、今回は乱→きり(土井←きり前提)な話しだった訳ですけど、そもそも前提にするには土井きり全然書いてない訳で、とても雰囲気掴みづらいですよね;すいません;
でも今のところネタがなi...←
そのうち思いつくことがあれば書きたいと思います(おい







部屋中に充満した薬品の臭いに混じって、ほのかに金臭い臭いが鼻につく。
そんな忍術学園の医務室で、乱太郎は目の前のクラスメイトが負った腕の傷を診てやりながら大きくため息をついた。
「あのねぇ、きり丸。何度も言うけど、どうしてここまでの怪我を負う程のバイトにばかり応募するの」
傷を洗うための水桶と、作り置きしてある消毒薬と、手拭いと綿とピンセットと包帯。
円滑に手当を行なう為に、道具を全て準備してもう一度きり丸に向き直る。
昔からきり丸は危険なバイトに行きたがる。戦場での物売りやら、怪しげな物品の受け渡しやら、そうしていつも土井先生に怒られる。
「危険な場所程銭が貰える」そう言っていつもきり丸は笑う。
それは成長し、6年生になった今も変わらない。
むしろ背が伸び、体力がついて、能力が上がった分だけ、より危険を伴う戦渦のただ中へ飛び込むような仕事をするようになった。
だからバイト明けには大抵こうして怪我を負って帰ってくるのだ。
その度に乱太郎は問わずに居られない。
どうしてそんなに危険な場所に身を置きたがるの...?
あと数ヶ月もしたら、忍びになるからには否が応でもそういう場に赴かねばならなくなるのに...。
水桶に手拭いを浸して湿らせると、それで傷口を清める。その手元を見ながら、きり丸はいつものからかうような口調で言う。
「どうしてってお前。何度も言うけど、そういうバイトの方が儲けられるんだっていつも言って」
「そんなの!」
「いでででで!!!ちょっと乱太郎もっと優しくしてっ」
その態度に少し腹が立って、拭う手に力を込めてぐいぐいと拭ってやると、きり丸がうっすら目に涙を浮かべて声を上げた。
それも理由の一つなんだろう。でもきっとそれだけじゃない。それにいつまでも騙されてる程の子供でもなくなった。
「そこまで危険な目に遭わなくたって、この年になればそこそこの賃金貰えるくらいのバイトはいくらでもあるでしょう!それでたとえば重傷を負ったり、下手すれば...死んじゃったり...そうしてお金だけ貰って何の意味があるの!」
怒鳴って強く睨みつけてやれば、それまで大人しく騙されていた乱太郎が声を荒げた事に驚いたらしく、猫のような大きく吊り上がった目を更に大きく見開いた。
「心配なんだよ、きり丸...。お前は昔から人の心配はするくせに、自分の身の危険にはいつだって無頓着なんだ。いつも負った傷を診させられる私の身にもなってよ...」
そう呟いて俯いた乱太郎に、しばらくきり丸は無言でいたが。
やがて聞こえるか聞こえないかの静かな声音で話し出す。
いつも本心を隠すかのような戯けた雰囲気は形を潜め、抑揚のない低い声で。
「生きるか死ぬかのその瀬戸際に居ると、ああ俺生きてる!ってそう思う。ああ、俺はここに居る!って」
その言葉に弾かれたように顔を上げれば、静かに優しく微笑まれた。
その微笑みの儚さに酷く不安になる。
歪む顔に自覚しながら、その顔を見たくなくてまた下を向いた。
「...分かんないよ...なんだよそれ...。きり丸は生きてるじゃないか。ここに居るじゃないか...」
縋るように言えばあやすように頭を撫でられた。
「うん。いいよ、分からなくていい。お前はそれでいいんだ」
その言葉が何だかとても悲しくて。
だったら土井先生は違うの?
その言葉がのど元まで出かかったのを無理矢理飲み込んだ。
その言葉で色んなものが壊れる気がして。
例えば、きり丸の笑顔とか、私ときり丸の関係とか、場合によってはは組の関係も。
でも一番に恐れたのはきっとそういうものではなくて。
自分の幼さを認める事だったんじゃないか...。
その考えに更に自分の幼さを自覚して。

ああ、こうして私はずっときり丸の背中を見続けるのかな...別のものを追い続けるその背中を...。

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