文とか絵とかのブログ。パロとか、けも耳とか色々遠慮なく上がります。
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すいません、また書いてしまいました^^;
今回は二人のなれそめってやつです(笑
このパロ楽しすぎます^///^
まだ書きたいのあるので、またそのうちに書くかも...;
今回はちょっと文仙的表現が出ますー^^;
今回は二人のなれそめってやつです(笑
このパロ楽しすぎます^///^
まだ書きたいのあるので、またそのうちに書くかも...;
今回はちょっと文仙的表現が出ますー^^;
「おや、イカレたか『帽子屋』」
あれはまだ俺がただの『帽子屋』だった頃。
いつものように意味も無く唐突に催されるクイーンオブハートの昼食パーティ。
いつだって何の予兆も無く当日の早朝に届けられるその招待状を寝ぼけ眼で受け取って、めんどくせぇと呟く。
断れば「首を刎ねてしまえ」と嬉々として言われてしまうから、仕方なしに支度を始める。
そう言ってもいつも一緒にいるキングが「ばかたれい!!」と怒ってその命令を破棄してしまうので、実際首を刎ねられた不幸者は今のところ一人として居やしないのだが。
それでもあのどSなクイーンはどんな嫌がらせをしてくるか分からない。
(ありゃただ単にキングに構われたくて言ってるだけなんだろうな...)
仲がいいのは結構だが、そんな惚気に人を巻き込まないでほしいものだ...。
招待状に指定された時刻に城へ行けば、同じように今朝唐突に呼ばれたのだろう。
すっかり見慣れたメンバーが、庭園にうんざりした顔を揃えていた。
「帽子屋さん!こんにちは!」
呼ばれて振り向けば、そこにはハートの飾りをあしらった同じ制服を着た子供が二人、ペンキの缶と刷毛を手にこちらを見上げていた。
「虎若。三治郎。はい、こんにちは。お前達はいつも来る度バラを塗ってるなぁ」
元気ににこにこ笑う二人の頭を撫でてやれば、へへと嬉しそうに笑う。
そうして周りに視線をやれば、同じ制服を着た子供達があちらこちらで楽しそうな声を上げながらバラにペンキを塗る姿が見えた。
「だって毎日毎日新しいのが咲くんですー」
ぷっとその柔らかそうな頬を膨らませたので、その姿が微笑ましくて思わず声を上げて笑う。
「よしよし。頑張ってるお前達にはご褒美にこれをやろう」
そう言って今朝焼いたクッキーを渡すと目をキラキラさせて喜ばれた。
「ありがとうございます!!」
「ちゃんとみんなで分けるんだぞー」
嬉しそうに走り去ろうとした二人に声をかければ、「はーい!」と元気に手を振られ、こちらも軽く手を挙げてそれに応えてやった。
この城に来る時には彼らに会えるのが唯一の楽しみと言えばそうなのか...あの無邪気さにはいつも癒される。
思わず緩んだ頬を自覚して引き締めたその時。
「女王様、お越しにございまーす!」
白ウサギの上げる声で、パーティの始まりが宣言された。
クイーンが催すパーティだけあって、いつも出される料理は無駄に豪華で美味い。
食うだけ食って元は取ってやる...
そう思ってテーブルに向かおうと足を向けると、その目に一人の男の姿が飛び込んできた。
黒く艶のある癖毛に、その頭から伸びる同じく黒い長い耳。
週に何度も催されるパーティにいつも来ているのに、今まで見た事が無かった。
そこへちょうど白ウサギが通りかかったので声をかける。
女王の執事をしているこの男なら、きっと知っているだろう。
「勘右衛門」
「あ、八左ヱ門。来てたのか」
「実質断れねぇんだから居るに決まってるだろ。ところであれ誰だ」
俺の言葉に「まぁ確かに」と苦笑して、俺が指差した先に目を向ける。見てすぐに「ああ」と短く納得してこちらに視線を戻した。
「久々知兵助だよ。いつも来るだけ来たらさっさと帰っちゃうから、八左ヱ門は見た事なかったんだなぁ」
知ってる?『三月ウサギ』だよ。
最後に言ったその名前に驚いて、再びその久々知兵助の方に目をやった。
あれが...。『三月ウサギ』の名は有名だ。何をどうしたか年中発情期のウサギが居るとか...。
しかし誰彼構わず相手にする訳じゃないらしい...最高のものしか口にしないらしい...そのお眼鏡にかなうのはさてどんなやつか。そんな下世話な噂をよく耳にした。
思わずまじまじとその姿を見つめていると、視線を感じたか久々知兵助がこちらを向いた。
合った視線にどきりとした、その瞬間。
にんまりと濃密に
陶然と笑んだその視線が絡み付く
そうして彼から目が離せなくなった。
からからに乾く喉に自覚するのに、そこから一歩も動けない。
その時掠れ色気を伴った囁きを耳元に吹き込まれた。
「おや、イカレたか『帽子屋』」
我に返ってぱっとそちらに目をやれば、クイーンが嫌な笑みを浮かべて立っていた。
「ああ、目を逸らしていいのか帽子屋?」
にやにやと楽しそうに笑うその言葉に、慌てて視線を戻せばそこには既に久々知の姿はなく。
「全く、目を離すからだ。ほら早く追いかけねば見つけられなくなるぞ」
そのたちの悪い言葉に「誰のせいだ!」と悪態をつきたいのを堪えて走り出す。
城から出る前に見つけないと!!
もう頭の中はあの笑みと、あの感覚でいっぱいだ...ああ、確かにこれはイカレたらしい...。
—居た!!
見回す目に、今門扉をくぐろうとするその後ろ姿が飛び込む。
なりふり構ってなど居られるか。絶対に捕まえてやる。
そうしてその背に向かって走った。
「面白いな」
涼やかで綺麗なその顔に、にやにやとした笑みを浮かべて言うクイーンに、その横に経つキングは嫌そうな目を向ける。
「全くお前は人が悪いな。仙蔵」
「何を言う文次郎。私は背中を押してやったんだぞ」
しれっとそう言うクイーンに、全てを見ていた白ウサギは軽くため息をついて空を仰いだ。
そうして俺はこの瞬間に『イカレ帽子屋』になったのだ。
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