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文とか絵とかのブログ。パロとか、けも耳とか色々遠慮なく上がります。
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犬神竹谷と、犬神憑き久々知なパロです。
なんか色々捏造してます;完全にファンタジー;パロだし、そんなもんと思って頂けたらありがたいです;
笹豆腐と書いてはいるものの、少なくとも今のところは竹谷と久々知...いや、竹谷でさえないです...まだ^^;
R15はエロではなく、暴力表現です。
これも今回更新分は大した内容じゃないですけど、この後続けようと思ってる内容はちょっとあからさまになりそうなので...
今回も、それなりに(人によっては、かなり)不愉快な表現が含まれてるかなと思うので、苦手な方はおすすめできません。
ご覧になる際には、あくまでも自己判断の上でお願いいたします。

『犬神と云ふは蠱毒法より発する呪法なり
犬神欲せば先ず猛き犬ども毒蟲多く集め一つ処にてたたかはせ果てに残りし犬に魚肉を半身与へ首を斬る
次ひで首の目見へる処にて呪を施すもの其の残りを食し其の後斬つた首を丁重に祀る
さすれば体内にて分け合つた魚肉を介し霊の結び付き生じ犬神と成れり
祀れば主に福為すが怠れば忽ち禍為す祟神へと転ず』


ごめん ごめん と こどもがなく
なんども なんども くりかえし くりかえし
ただひたすらに ごめん ごめん と
きえそうで きえることのできない いしきのかたすみで
なきじゃくる こどものこえを きいていた

 ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・  ・

兵助は、久々知家の4人姉弟の末の子として生まれた。
上の3人は皆女で、武家であるこの家では末の子であっても男児が必然的に跡取りとなる。
姉達とは、だいぶ年が離れており、一番上の姉とは一回り、一番下の姉でも7つ違う。
故に諦めていた折りの男児の誕生という事で生まれた時には父の喜び様は大層なものだったようだ。
けれど実際、兵助は生まれながらに体が弱く、突然に発熱しては床に伏せる事も多かった。
周囲の同じ年頃の子ども達が寺子屋に通い始める時分にも、度々体を壊しては休む事も多く。
それに焦った父は性根と体を鍛える為と、家にいる時には自ら兵助を庭へと連れ出し、剣術指南やら乾布摩擦やらさせていたが、それらは全て逆効果で、それによって体を崩す事も少なくなかった。
そうして寺子屋に行く事が少なくなれば、共に遊ぶような友人もなかなか作ることができず。
母や姉達はとても優しくはしてくれたが、やはり友人とはまた違う。
そんな兵助が頼りとするのが、飼い犬であるハチだった。
ハチは正しくは八左ヱ門という名で、父が知人の家より貰い受けた犬であった。
狼の血が混じっているとのことで、犬にしては体つきがやや大きく、毛色は薄い灰色。
その灰色の毛と、きりりとした顔つきとが合わさって凛々しい独特な存在感を持っていた。
毛の感触は硬めで、ごわっとしていたので決して触り心地が良いとは言えなかったが、寂しさを覚えた時にハチに寄り添えば、自然と気持ちは癒された。
犬にしては利口なようで、兵助の話す内容を理解しているのか真実の所は分からないが、それでも聞き漏らさぬというように言葉を紡ぐ兵助の顔をじっと見つめ、静かに聞き耳を立てている様は、全てを理解し聞き役に徹してくれているような気持ちにさせた。
兵助が楽しそうな時は目を細め耳をぴんと立て、遊んでくれとばかりに甘噛みをする。
哀しそうな時には耳を垂らして鼻を鳴らし、慰めてくれるかのように優しく顔をなめてくれた。
兵助にとって、ハチは飼い犬というよりも友であり、家族だった。
いつも一緒に寄り添っているのが当たり前。
そんな存在だった。

そんなハチに、ある日突然異変が訪れる。
始まりはある朝の事。
朝に与えた餌を食べたその後、腹に収めたものを全て吐き出してしまったのだ。
それまでそのような事など一切なかっただけに、兵助は不安で仕方なかったが、家人は皆少し体調が悪かったのだろうと心配する兵助に言った。
大丈夫。たまたま体と食事の相性が悪かっただけだ。
次の食事は腹に負担がかからぬものを与えよう。きっとすぐに良くなるよ。
みなそう笑顔で言うので、兵助もそういうものかと胸を撫で下ろした。
しかし。
その次の食事も、そのまた次の食事も。
ハチの体は受け付けようとしなかった。
量を与えれば、その分戻してしまうので、形の崩れたものを少しずつ少しずつ、回数を増やして与える事で何とか食事を与える事ができた。
しかし、日がすぎても回復する様子もなく。
そのうち吐いたものに僅かに血が混じるようになり、そこでさすがにおかしいと皆が気付いた頃。
ハチの体を労るように撫でていた兵助は、ある事に気がついた。
それまでしっかりと質のいい肉がついて引き締まっていた腹のあたりに、胡桃程の異物ができているではないか。
こんなもの、今までは無かった...。
慌てて母にそれを告げると、母は表情を曇らせた。
その表情に、兵助は幼く何一つ分からないながらも、心の中で何かを悟った。
そうして、日に日に少しずつ少しずつ腹にある異物の大きさが膨れるにつれ、少しずつ少しずつハチの元気は失われて行った。
そしてハチの腹の異物と一緒に膨れて行く、兵助の中の恐怖...。
ハチが目の前から居なくなってしまったら?
もはやその思いに囚われて、逃れる事など叶わない...。

そんな中で兵助は家の書庫で一冊の本を見つける。
古ぼけたその本は、ぱらぱらと中を開いてみると、この国や隣の大陸から渡ってきた呪いごとなどを纏めた本のようであった。
武家であるこの家に、どのような経緯でやってきたのか兵助は不思議に思いつつ、何か興味を引かれてぱらぱらと読むともなしにページを捲る。
そんな兵助の目に、唐突に飛び込んできたある項目。
思わずぴたりと手を止めたそこには『犬神』の文字が書き付けられていた。
日々ハチの事が頭から離れず、『犬』の文字に目がいったのであろう。読み進めたその先の内容に、兵助は顔色を変えた。
目を覆いたくなるような、そのおぞましい内容にしかし兵助の目は吸い寄せられるかのように、放せなくなった。
兵助がせめてもう少し成長していれば。せめて元服を済ませる程の年頃であれば、物事の善悪に対して理性的に判断できたのであろうが...。
まだ十程の兵助には、先の事も周りの事も客観的に見られるだけの冷静さを持っていなかった。
ふらふらと、今目にした本を懐に大事に抱え。
兵助は一人屋敷を出る。今兵助に見えているのは、ハチの命ただ一つ。

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