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文とか絵とかのブログ。パロとか、けも耳とか色々遠慮なく上がります。
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も一つおまけに笹豆腐。
笹豆腐は世界を救うと思うの(本気)

竹谷八左ヱ門は 雨の休日があまり好きではない。
元々じっとしているよりも体を動かしている方が好きな性分で、事実低学年の頃には授業中でもじっと机に向かっている事ができない子供だった。
年を経てその辺に関してはある程度のこらえ性もついたけれども。
それでもやはり生まれもっての性格というものまではどうにもできず。
ただでさえ体を動かせずに、気持ちを発散する場が無い上に、どんよりとした空気も合わさって気持ちが沈みがちになってしまう。
沈んだ気分そのものが竹谷の性分に合わず、発散させたくなるが発散させる場がない。
そんな堂々巡りを繰り広げてしまうのだ。
いっそ学園一忍者をしていると評判のギンギンな某先輩のように、悪条件下の訓練こそ己をより強く磨けるのだ!!と言い切れるような剛胆さを持ち合わせていれば、雨が降ろうと槍が降ろうと体を動かしに出かけられるのだろうが、あいにく——果たしてあいにくというのが正しいか否かは置いておくとして——そこまでの剛胆さの持ち合わせは竹谷には無かった。
しとしとと、いつ止むともしれない長雨のこの時期。
重たく雲がたれ込め、雨のせいで紗がかった外を見遣ってため息をついた。

仕方ない。今日は生き物達の観察でもするか...

委員会の仕事をする事に決め、部屋の中に戻る。
委員会で面倒を見ている生物の一部を、一人部屋をいい事に自室に持ち込んでいた。
その中から虫かごを一つ選んで目の前に置く。
閉め切ると蒸すので、部屋の戸は開けたままにしておいた。
そうしてかごの中の虫を、観察してはスケッチを取りメモを書いて、見て書いてを黙々とこなしていた時だった。

するりと、毛艶のいい黒猫が足音も立てずに入ってきた。
戸口で立ち止まり、こちらの様子を伺っている気配を背中で感じる。
竹谷は気付いていない風を装い、あえて振り返るような事をせず観察を続けた。
猫という生き物は、気配に敏感で、とても気まぐれだ。放っときすぎてもいけない。構いすぎてもいけない。
少し間を置くと、こちらに寄ってくる気配がした。
それでも竹谷は振り返らず、虫の観察を続ける。
すると背中に、トンと寄りかかる軽い振動が伝わり、次いでほんのりと温もりが伝わってきた。
その温もりに心持ち癒され、知らず小さく溜息が漏れた。

そうして背中から聞こえる、ぱらり、ぱらりとページを繰る音。
そこでようやく竹谷は軽く吹き出すように、ふっと息を漏らす。
「兵助」
「...なに?」
次いで上がるその返事に、満足げに頬をほころばせる。
「いや?別に」
「...ふうん」
何に納得したのか、短く言葉を返し、寄りかからせた背をそのままにまたページをめくる。

——こんな休日もいいかもしれない

その様子を背中越しに感じながら、竹谷は一人その想いに浸る。
雨の日だって

——お前がいれば

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性別:
女性
自己紹介:
メインジャンルはRKRN。
あとBSRも大好きです。
5年大好き。双忍大好き。
笹豆腐は生きる糧^^
かんちゃんかわいいね^^v
真田主従ハンパない///
史実武田はパラダイス!
そんな傾向のブログです。

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