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文とか絵とかのブログ。パロとか、けも耳とか色々遠慮なく上がります。
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一体どんなペースで書けるのか、自分でも全く予測がつきません...;
朝起きた時点で書ける気がしなかったんですが、作業用BGMでいい曲聞いたら一気に書いてしまいました^^;
そんな訳で成長笹豆腐、続きですー!
やっと書きたかったシーンを一つ消化できました!!そう、このシーンが書きたかったんです...中二です。中二のフリをした大人です...。いや、逆か。大人のフリをした中二です(それは恥ずかしい!!

ここの所何度も言ってるんですが、本当にこういうシリアスを書くのは難しいですね...土台にあるもの、時代考証とか世界観とか、そもそもの一般常識的な知識とか、そういうものを勉強してないと、酷く薄っぺらくなってしまう...orz
もっと精進します!押忍!!

今回につきましては、注意事項としまして内容に暴力表現および血表現を多分に含みます。
そう言った内容に抵抗がある方はご注意ください。
閲覧はご自分の責任においてご覧下さい。よろしくお願い致します。





「八左ヱ門!!」
兵助が最後の一人に止めを刺し、握った忍刀を振ってついた血を払い鞘に納めた時だった。
背後で上がった仲間の鋭い声に無意識に体勢を整え振り向いたその先で、八左ヱ門の右腕に棒手裏剣が深く刺さるのを見た。
無意識に身を固くしてその名を呼ばわろうとしたその前に、八左ヱ門は一息に自分の右腕に刺さった棒手裏剣を抜き、鋭く投げ返す。
それは動けないながらも一矢報いようと身を起こした、黒尽くめの男の眉間に深く刺さる。
こぼれ落ちそうな程に目を見開き、その後声もなく絶命したその身がどさりと崩れるのを見届けると、そのまま傷ついた腕を抱えて膝をついた。
痛みからか固く歯を食いしばり、冷や汗を浮かべて蹲る八左ヱ門に違和感を覚える。
その隣で二匹の狼達が激しく吠えだす。
たかだが棒手裏剣が一本、腕に刺さっただけだ。
忍びとしてその程度の怪我など、騒ぎ立てる程のものではない。刺さった場所からいっても、腱を痛めるような場所ではなかったはずだ...。
おかしい。
その間にも狼は八左ヱ門に向かって激しく吠え続ける。八左ヱ門の育てた獣達はみな統制が取れていて、意味もなく騒ぎ立てるような事など常ならばありはしない。
野生の本能で、何かを感じているのではないのか...。
その時、腕を抑える指の隙間からどろりと吹き出る血の色を見た。
普通ならあり得ない、どす黒く汚れたその色。
酷くぬめったその液体が糸を引いて地面へと垂れる。
そして傷口から広がる、禍々しいまでの黒い痣。
その痣はじわじわと少しずつ八左ヱ門の腕を蝕むように広がっていく。
あれは
もう...だめだ
「八左ヱ門!!!」
考えるより先に口をついたその名。動いた体。
「死にたくなければ腕を出せ!!!」
考える暇も、動いたその意味を説明している暇も、そんな一瞬でさえ無駄にできない。
しかし八左ヱ門がそれを理解したのが兵助には分かった。
苦しそうに顔を歪ませながら、震える右腕をしかししっかりと横へ真っすぐに伸ばす。
いつだって生命力に溢れたその強い目で、八左ヱ門へと向かって足を踏み出した兵助を真っすぐに見据え。
ぎゅっと歯を食いしばったのを見ると、持った忍刀を鞘から抜いて一息に刃を目の前に伸びるその伸びやかな腕に振り下ろした。
その衝撃で跳ねとんだ、八左ヱ門のものだったその腕。
「っああああ!!!!!」
斬った瞬間にはその衝撃に耐えるように音がする程に食いしばったその顎が開き、痛みからくる叫びが喉の奥から谺する。
「っ!!!」
その叫びが絶えるのと同時に閉じられるその顎で舌が食いちぎられないよう、その口に有無をいわさず左腕を突っ込めば、それを待っていたかのように強く腕を噛み締められ、灼けるような痛みが襲う。
その食いしばった歯の間から、獣のように唸る声を聞く。
肘から下を失って吹き出る鮮やかな血の色を見て、兵助はひとまず安堵する。
まだそこまで毒は回っていなかった。
跳ねる体を腕を噛ませたまま全身で押し倒し押さえ込むと、他の三人が素早く動き出す。
一人はこれ以上の失血を防ぐ為の処置を。一人はひとまずの避難場所を求めに。一人は今回の雇い主である城へ。
城には学園の教師が待機している。すぐに救護班が回されるはずだ。
それまではこの命を俺が護ってみせる。
出血と、その吹き出た血で塗れた衣のせいで冷えたか、一度ぶるりと体を震わせたのを感じ兵助は身を入れ替えて八左ヱ門の体を全身で抱え込む。その脇で二匹の狼が兵助を助けるように寄り添った。
「兵助、お前の腕は大丈夫か」
八左ヱ門に応急処置を施していた仲間が、噛み締められて傷ついた兵助の傷口に目をやって聞いてくる。
その言葉に同じく目をやると、歯が食い込んで肉が抉れ血が溢れ垂れていたが、構うなと首を振る。
「ああ、大丈夫だ。たいした事はない」
八左ヱ門の腕に比べればこんなもの。
「...そうか」
兵助の顔を見て、そう一言呟き立ち上がると傍らに落ちていた八左ヱ門の腕を拾い上げた。
そのまま置いておく訳にもいかないだろう。そばにある木の根元を懐から取り出した苦無で掘り始めたのを、腕に八左ヱ門を抱えながら無言で見つめる。
「おい!すぐそこに無人の小屋がある。ひとまずそこに」
避難場所を探しに行った仲間の声に、八左ヱ門以外の全員が顔を上げる。
これで少なくとも夜風に八左ヱ門の体力を削られずに済む。
約束しただろう、揃って戻ると。
ぎゅっと一度、魂ごと繋ぎ止めるように強く抱きしめて、腕のある木の根元に目をやった。
約束しただろう...その腕で...。

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